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腸を良い状態にすることで体が元気になるテクノロジー

日々の食事はできるだけ腸に良いものを食べたいけれど、普段の生活で取り入れるにはなかなか大変です。今回は簡単に作れて、しかも常備食として保存OKな腸が喜ぶおかずを、管理栄養士でインナービューティスペシャリストでもある関口絢子さんに教えていただきました。

まずは2週間、腸内環境を整えるために選ぶべき食品

腸内環境を良くすることは、健康面でも美容面でも大切です。腸内環境が良いとはどういう状態かというと、多種多様な菌が腸内に存在し、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスが保たれていることです。理想的な割合は、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割とされています。このバランスを保つには食生活の影響が大きいです。お腹の中にエサとなるものが豊富にあると、善玉菌が住みやすい環境が整い、腸内環境がより良い方向へと向かいやすくなります。一概には言えませんが、目安として2週間ほど食生活を改善すると、お腹の調子が良くなってくることが多いのではないでしょうか。腸内環境を意識した食品の選び方は、大きく分けて3つのポイントがあります。

  1. 乳酸菌や体に良い影響を与える微生物を含む食品。例えば、発酵食品やヨーグルトなど
  2. 善玉菌のエサとなり、それを増やしてくれる食品。プレバイオティクスとして、オリゴ糖や水溶性食物繊維など
  3. 不溶性食物繊維を含む食品。腸内の掃除をする役割を持ちます。

つまり、腸に良い影響を与える微生物を含む食品、善玉菌のエサとなる食品、腸内を掃除する食品の3つを意識すると分かりやすいかと思います。

最強メニュー!腸が喜ぶ作り置きおかず=「腸活常備食」

上記にあげた腸に良い食品を使った副菜を常備しておくと、手軽に腸活に役立つ食事を取り入れやすくなります。

【材料】(作りやすい分量)
  • 切り昆布 1パック
  • えのき 1株
  • ごま油(好みの油で代用可) 大さじ1
  • めんつゆ 適宜
  • すりごま 大さじ2
【作り方】
  1. えのきの石づきを切り落とし、食べやすい大きさに分ける。長いと感じたときは、半分の長さにカットしてもOK。切り昆布は、さっと洗って半分の長さに切る。
  2. フライパンにごま油をひき、えのき→切り昆布の順で炒める。 3.めんつゆを入れて混ぜ合わせ、昆布がしんなりしてきたら、味を整え、火を止める。仕上げにすりごまをふり、全体を混ぜ合わせる。

【ポイント】
冷蔵庫で3~4日保存可能。海藻類には発酵性の食物繊維が多く含まれています。意識して取るようにしましょう。

【材料】(作りやすい分量)
  • ごぼう 300g
  • ごま 80g
  • お酢 大さじ2
  • 醤油 小さじ2
  • 甜菜糖 小さじ1
  • 水 50cc
【作り方】
  1. ごぼうをしりしり器で細切りにする。(しりしり器がなければ千切りでもOK!)
  2. フライパンにごぼう・お酢・お水を入れて中火で蒸し焼きにする。
  3. 色が変わったら、すりゴマ・醤油・甜菜糖を加えよく混ぜたら完成。

【ポイント】
冷蔵庫で4〜5日保存可能。ごぼうは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のどちらもバランスよく含まれています。水にさらしてしまうと、水溶性の食物繊維「イヌリン」が溶け出してしまうので水にさらさず調理すること!

【材料】(作りやすい分量)
  • 玉ねぎ 1個
  • オリーブオイル 100〜150cc
  • 粉末スープ(鶏ガラやコンソメ)の素 小さじ1
  • 塩 少々
【作り方】
  1. 粉末スープの素(鶏ガラやコンソメ)、塩を加え、玉ねぎを軽く油で炒める。
  2. 清潔な容器に玉ねぎを入れ、上からオイルをかけて保存する。

【ポイント】
冷蔵庫で1週間保存可能。玉ねぎにはオリゴ糖が多く含まれています。腸の運動を活発にする効果がある、オレイン酸を含むオリーブオイルや米油で玉ねぎを炒めることは、便秘の方にもおすすめです。そのまま食べても美味しいですし、納豆に加えるのも良いでしょう。また、新玉ねぎの季節には、生のスライスをポン酢とかつお節で和えるだけでも簡単で美味しくいただけます。

善玉菌を増やすカギはやっぱり食事

私たちのお腹の中を例えると社会だと思います。そこには、善玉菌だけでなく、悪玉菌や日和見菌が共存しており、その中でたった2割しかいない善玉菌を増やすために、私たちができることは、彼らが住みやすい環境を整えてあげることです。畑の土壌が栄養を分解して良い土を作るように、腸内細菌も食べたものを分解し、体に必要な栄養を生み出しています。だからこそ、不要なものを排出し、腸内環境を整える食事を意識しましょう。

とっても簡単に作れる腸活常備食を教えていただきました。この常備食を日々の食事にちょい足しして、日々の食生活を変化させて、腸内環境を整えてみましょう!

今回教えてくれたのは…

  • 料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト : 関口絢子

    川村学園短期大学食物学科卒業。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピが人気。“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、人生100年時代に向けた健康長寿食を提唱。すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信する活動をしている。

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キーワード
  • ライター

    浜口 順子

    1985年大阪生まれ。 2001年芸能界デビュー。芸歴20年を迎えた時、人生を改めて見つめ直し、高校生からずっと憧れていた放送作家への道を進むことに。 今は、「書けて話せる」ハイブリッドな人を目指して奮闘中! 腸活は体も心も元気でいるために、ずっと興味がある永遠のテーマ。現在育児中でもあるので、子どもの健康や腸活も気になっています。

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