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腸を良い状態にすることで体が元気になるテクノロジー

アラ還とは思えぬ美しさと気さくでお茶目な人柄にファンの多い君島十和子さん。実は、日々の生活に腸活を取り入れ、ご自身が実感し、学んだ腸活の大切さを発信することにも力を入れています。お料理や健康に関心の深い人たちからも支持される十和子さんの、腸活を始めたきっかけや、実践していることなどを、詳しく教えていただきました。

更年期のタイミングで本格的な腸活を決意

若い頃から腸の調子がいいと、肌の調子がいいという実感がなんとなくあり、肌のために腸にいいことをしようと意識していました。ただ、実践していたのはヨーグルトを食べることだけ。それさえすればOKだと思っていたのです。

10年前頃から腸活というワードを頻繁に耳にするようになり、勉強したり専門家の方に教えてもらい、ヨーグルトだけでなく、もっとさまざまな菌、繊維をバリエーション豊かに摂取した方がいいと知り、そして、年齢的にも更年期に差し掛かり心身の変化やゆらぎを感じてきたこともあって、本気で腸活と向き合おうと決意しました。

腸と脳の関係を痛感。腸の健康がメンタルの安定に

私の場合、ホットフラッシュなどの更年期の代表的な症状はなかったのですが、本来は鋼のメンタルで超ポジティブな性格のはずが、どうしようもない不安に駆られたり、何もしていないのに心臓が迫り上がるような動悸がするという、今までと違う不調を感じました。病気を心配しましたが、調べてもどこも悪くはなく、原因が分からないとさらに不安になる…という悪循環。そのうち、腸と脳の相関関係を知り、健康のためにも腸活を意識してみようと思いました。

例えば、子どもの発表会や試験前など、家族の勝負事の日はお腹を壊したりすることがあり、ここでも腸と脳のつながりを実感。旅行や出張に行く時は便秘になりがちですが、気にしすぎるのも逆効果。「3日くらい出なくても大丈夫」と大きな気持ちで構えると、むしろ調子が戻ったりすることも。

腸が健康だとメンタルも晴れ、メンタルが不安定だと腸も不調になるという実感が、私にはありました。腸が整うと心身も整うのはもちろん、“腸活してるから大丈夫!”という安心感も大きいんだと思います。腸活が精神的支えとなり、私の生活は明るくスムーズに回っています。

“食事での腸活”は簡単であることが最優先

実際に行っているのは、腸活食材を取り入れた食事、適度な運動、水分、睡眠をしっかりとること。中でも軸となるのは食事で、これは家族を巻き込んでできる腸活でもあります。

意識の高い人は、「美容にいいから」と言われたら多少苦手なものでも食べますが、そうではない人や子どもはなかなかそうもいきません。我が家では“いつものメニューを腸活を意識した食材で”が基本。

腸活で最も大切なのは長く続けることなので、無理なく簡単に、手に入りやすい食材であることを優先しています。

特に意識したのは水溶性の食物繊維を摂取すること。腸活と言えば発酵食品を思い浮かべたり、とにかく野菜を食べればいいと思われがちですが、自分に足りていないのは、特に水溶性食物繊維でした。

私は水溶性食物繊維をとるために、海藻やきのこをよく使います。

ヨーグルトには食物繊維の豊富なきな粉をかけていただきます。海藻たっぷりのお味噌汁も朝の定番。

他にも、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよくとれるサツマイモやジャガイモ、腸内環境に良い影響を与えると言われるDHAやEPAを含む魚類も積極的に使う食材です。

咀嚼することも腸活において大切なので、歯応えのある食材を入れるのもポイント。きのこや白滝などが活躍します。

小腹が空いた時や時間のない時によくいただくのは、まだ端が青いバナナ。青いバナナにはレジスタントスターチという難消化性でんぷんが多く含まれていて、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖をサポートするように働きます。加えて、大腸の下部にまで届き、そこに棲みつく善玉菌のエサになるという腸活に嬉しい特徴があります。

レジスタントスターチは冷やご飯でも増えるので、炊き立てよりも冷ましておにぎりにすると効果的です※1。

あまり難しく考えず、家族が好きなメニューに腸活にいい食材をプラスしたり、代用したりするくらいなら、味にさほど影響もありません。

家族がおいしく食べてくれて、それが腸活になるならとても素晴らしいこと。家の中でお料理する人が腸活を意識すると、それを食べた人みんなの腸が健康になり、その情報を家の外で共有することで少しずついい影響が広まっていくと信じています。

※1参照:読売オンライン「バナナは黄色より緑がいいってホント!?1日2本のバナナでレッツバナ活!」2022年8月31日公開より

ウォーキングやラジオ体操、軽い運動でOK

便秘を予防するためにも運動が必要。私は毎日ストレッチとラジオ体操、週に数回ジョグアンドウォークをしています。

よく驚かれますが、ラジオ体操は夜に暗い部屋で(笑)。体と向き合いながら入眠儀式としてするので、音楽はかけずにゆっくりと脳内再生して行います。ストレッチはどうしても好きな動き、得意な場所ばかり伸ばしてしまうので、全身バランスよく動かせるラジオ体操がいいのです。激しい動きの少ない“第一”がおすすめ。

ジョグアンドウォークは、ジョグ(走るポーズで歩く)を2分・ウォーキングを8分×3セット。血流アップを意識しています。

ピョンと跳ねる動作が骨への刺激となります。

食事と一緒で、運動もコツコツ継続が基本。難しいことはしなくても、適度に刺激して快調を保っています。

肌や体の効果はおまけ。メンタルの安定が一番の変化です

腸活を始めて変わったことは、更年期ならではのゆらぎの幅が最小限になり、疲れの回復力が上がったと感じます。
ストレスも感じにくくなりました。これは、セロトニンという幸せホルモンが腸内で90%作られていて※2、それがきちんと作られることが原因かなと思います。

※2参照:「新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる」 (池田書店/江田証著 P37より)

肌は、それまでは季節の変わり目や寝不足が続くと鼻周りや顎に吹き出物が出ていましたが、そういったことが落ち着きました。代謝がアップしたからか、太りにくくなり、太ってもすんなり戻せるように。

さまざまな環境の相乗効果ですが、要因の一つには腸活があると感じてきました。私にとって美容面のメリットはおまけで、メンタルの安定、自分自身穏やかさを手に入れられたことが一番。見た目の美しさを昔ほど求めなくなったのも事実ですが、美容も健康も仕事への意欲も、すべてはメンタルの安定があってこそ。腸が整うことですべてが上手く回り出すと感じています。

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今回教えてくれたのは…

  • FTCクリエイティブディレクター、美容家 : 君島十和子

    1966年生まれの59歳。FTCクリエイティブディレクター、美容家。2人の娘をもつ母。ファッション誌の専属モデルや女優として活躍後、結婚を機に芸能界を引退。2005年に化粧品ブランド『フェリーチェトワコ・コスメ』(現:FTC)を立ち上げ、自らプロデュースを行う。SNSで発信される美容や健康への意識の高さに注目が集まり、現在は自身のスキンケアブランドの仕事のほか、テレビや女性誌などでも活躍中。

    最新刊、『君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」』
    https://www.amazon.co.jp/dp/4074610663も好評。

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  • ライター

    井上さや

    元女性誌編集。子育て、ファッションから美容まで
    幅広い企画を担当。現在は経験を活かしてWEBを中心に執筆。
    3歳、6歳2児の子育て中。

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