どんなに高価なコスメやサプリを使っても、吸収する体内の環境が整っていなければ十分な効果は得られません。実は、腸を整えることがそのまま美容につながるのです。
腸内細菌・腸内フローラに精通し、【美肌すぎる消化器内科医】として発信する腸活を活かした美肌やエイジングケアが人気を集めている工藤あき先生に、実践されている“美腸美容”習慣を教えてもらいました。
腸は“美容の土台” 吸収する“モノ”も大事だが吸収する“場所”も整えて!
環境が悪い腸がつくり出した悪玉物質が血液をめぐり、肌のくすみやニキビの原因に…

腸内細菌にはそれぞれ得意分野があって、つくり出す物質も違います。
その物質が体内で炎症を抑えたり、逆に有害物質となって肌に悪影響を与えることもあります。
実際に「美肌菌」と呼べる特定の菌があるわけではありませんが、悪玉菌が産生する物質が血流に乗って全身をめぐり、肌のくすみやニキビにつながってしまいます。
逆に、腸内環境が整って多様性のある状態──つまりいろんな種類の細菌がバランスよく存在しているときは、そうした悪影響が起こりにくくなります。
だからこそ、「腸内環境のバランス=美容の土台」と私は考えています。
胃腸が整ってなければサプリやプロテインで腸内環境が乱れることも!

健康や美容のためにサプリやプロテインをとる人は多いですが、プロテインをとりすぎてしまうと吸収されずに腸内環境を乱すリスクもあります。
実際に「健康のため」とプロテインを飲んでいても、運動と摂取のバランスが悪いとたんぱく質が十分に吸収しきれないことがあります。吸収できないものが腸内に残り、逆に腸内環境を荒らしてしまうこともあります。
だから私は「まず腸を整えてから栄養を入れる」ことを大切にしています。
美容も健康も、すべては腸という土台の上に成り立っているのです。
美容の土台になる“美腸”をつくり出すなら胃酸を味方に!
噛むたびに胃酸が活性化。腸をもっと吸収上手に!

腸を荒らさず、栄養を効率よく吸収するには、まず“胃酸”の働きが欠かせません。
胃酸は食べ物をしっかり分解してくれるので、胃酸が不足すると未消化のまま腸に流れ込み、腸への負担や環境の乱れにつながります。
よく噛んで唾液を分泌させることが大切です。
美腸の秘訣は日常にあり!美肌すぎる美人医師が推奨する『続けたい習慣』&『避けたい習慣』
続けたい習慣:梅干し&レモン水など食前の酸味で胃酸を出す事前準備を!

私は食前に梅干しやレモン水を少量とることがあります。
酸味は胃酸の分泌を促すスイッチになり、消化をスムーズに進めてくれるからです。
たったひと口の準備でも、腸に届く頃には負担を減らし、栄養をしっかり吸収できる体勢が整います。
ちょっとした工夫ですが、腸にやさしい「事前準備」なのです。
避けたい習慣:“ながら食べ”はNG!見て・嗅いで・聞く──五感が胃酸のスイッチ!

また、“ながら食べ”も美腸作りのためにはやめましょう。
食事中にスマホやテレビを見てしまうと、体は本来の「消化の準備」を十分にできません。人間は食べ物を見たり香りを嗅いだりすることで唾液や胃酸の分泌が始まります。音や香り、視覚の刺激をしっかり受け取ることが、腸に届く前の消化をスムーズにし、腸の負担を減らしてくれるのです。
五感で味わう食事こそ、腸を元気に保つ秘訣です。
続けたい習慣:光を浴びる・腸を温める・食事直後は座らない…食べ方以外の美腸習慣!

美容のためには「食事」だけでなく「生活の工夫」も大切です。
私は朝起きたらカーテンを開けて日光を浴び、体内時計と自律神経を整えます。腸は自律神経に支配されているので、このリズムが安定すると腸の動きもよくなります。
また冬は腹巻きでお腹を冷やさないようにし、血流を促して栄養をしっかり届けることを意識しています。
さらに食後はソファに座らず、皿洗いや掃除で軽く体を動かすことも習慣に。食事後の腸に適度な刺激を与えることが、消化をスムーズに進め、栄養の吸収を助けることにつながります。
これらは小さな工夫ですが、腸にとっては大きなサポートになるのです。
美しさは腸から始まります。腸内環境を整えれば、炎症が抑えられます。
よく噛む・温める・動く・工夫する──そんな日々の積み重ねが、美肌もエイジングケアも叶えてくれるのです。
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今回教えてくれたのは…
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一般内科医 : 工藤あき
一般内科医として地域医療に貢献する一方、消化器内科医として、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活を活かした美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医。その美肌から「むき卵肌ドクター」の愛称で親しまれている。
Instagram : @_kudo_aki_
note : @kudou_aki
HP : 工藤あき official site
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ライター
田口 拓矢北海道の網走という田舎町から上京後、放送作家としてバラエティ番組を中心に約10年活動。業界特有の『不健康生活』という名の”劣悪監獄”から脱獄を目指し、様々な健康法を日々チャレンジ中!
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