便秘が改善すると心もスッキリ!気持ちのいい1日の始まりのためにも、毎朝の排便習慣を身につけたいものです。そのためには、忙しい朝もトイレと向き合うことを蔑ろにしないことが重要です。著書『新しい腸の教科書』がベストセラーとなり、メディアでも大活躍中の江田クリニック院長・江田 証先生に、快便をもたらすトイレ習慣についてお話を伺いました。
排便力を上げる4つのトイレ習慣

①必ず朝ごはんを食べる
“朝食は天然の便秘薬”と言ってもいいくらい、腸のコントロールに重要なもの。朝食を摂ることで腸を動かすスイッチが入り、1日のリズムが保たれます。まずお水や白湯を飲むのでもOK。腸活を意識したメニューでなくても、とにかく何かを口に入れることで胃・結腸反射が起こり便意がアップします。そして、便意を感じたらすぐにトイレへ。朝のバタバタで我慢してしまうと、便意を感じるのが鈍くなり便秘になってしまいます。
②毎日3分間はトイレに座る
トイレに入ることで排便リズムを習慣化させることができます。便意がなくてもとにかく3分は座りましょう。この時、かかとを上げて前傾姿勢になると、直腸から肛門までがまっすぐになり、便が出やすくなります。体を左右にひねりながらいきむのもいいです。ただ、長くいきみすぎると直腸脱を起こすので、5分以上はいきまず小休止をとりましょう。
③冷たい水をかける
トイレに座っても便が出ない場合は、いったんトイレから出て手や顔に冷水をつける「寒冷刺激」が効果的です。冷たさを感じることで自律神経が反応し、腸神経にも作用して便意を催すことがあります。
④たくさん水を飲む
便秘気味の人の便は、絞りカスのように水分が不足した状態。常温の水を飲むことで、便を柔らかくして出しやすくする効果があります。1日2リットル以上水を飲む人は“快便”というデータがあります。
“脳腸相関”が働くので、便秘を気にしすぎるのも逆効果
排便できないことを焦ったり気にしすぎると、脳がストレス反応を起こして交感神経が働きすぎ、腸の動きが悪くなって便意が遠のきます。それを気にしてさらに便秘になるという悪循環が起こることも。逆に、緊張する場面で下痢になることがあるのは、脳からストレスホルモンであるCRH(コルチコトロピンリリーシングホルモン)が分泌され、それが脳から腸に伝わり、腸で炎症が起きることによります。不慣れな環境の旅先で便秘になったり、試験前に下痢になったりするのもこれらが原因。“脳腸相関”と言って、腸と脳は密な関係にあり、ストレスが互いに影響し合います。なるべくリラックスしてストレスを溜めないことも大切です。出ない日が続いたり、出ても残便感が続くようなら、受診して薬でリセットしてみることも視野に入れましょう。
(記事監修:江田 証先生)
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今回教えてくれたのは…
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江田クリニック院長 : 江田証
医学博士。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。栃木県にある江田クリニックの院長を務める一方、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)などテレビやラジオ、雑誌などに多数出演。著書に19万部を超えたベストセラー『新しい腸の教科書』(池田書店)のほか、『すごい酪酸菌』(幻冬舎)、『腸のトリセツ』(Gakken)など多数。
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