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腸を良い状態にすることで体が元気になるテクノロジー

今回は旅行が趣味でこれまで30カ国を旅した、腸の学校®代表・管理栄養士の加勢田千尋先生が語る、“旅×腸活のススメ“。楽しいはずの旅行中に便秘やお腹の不調に悩まされる人も多いのではないでしょうか。腸にやさしい旅の準備と対策、そして短鎖脂肪酸を増やす過ごし方のコツを伺いました。

なぜ旅行中に便秘になりやすい?

加勢田先生によると、旅行中の便秘には主に3つの原因があるそうです。

原因①:環境の変化による腸のストレス
旅行は楽しくても、いつもと違う環境に置かれること自体が腸へのストレスに。新学期や新生活と同じく、腸は“場所の変化”に特に敏感です。

原因②:食事内容の変化
油の多い食事、食べ慣れないもの、消化しづらい食材の摂取により、腸内細菌のバランスが乱れ、便秘を引き起こすことも。

原因③:トイレの不安による我慢
清潔感への懸念や、すぐにトイレに行けない状況への不安から、排便を我慢するケースは少なくありません。特に旅行時は、慣れない場所で公共のトイレを利用したり、誰かと一緒に行動する機会が増えると、排便のタイミングを逃しやすくなり、それが便秘につながることがあります。

旅行中でも快腸を保つための3つの工夫

1.朝の習慣を固定する
旅行前から朝にトイレに行く習慣を体に覚えさせると、旅行中も便秘になりにくくなります。
特に出発の2週間前から意識しておくのがおすすめ。

2.リラックスの合図をつくる
アロマやお気に入りの音楽など、リラックスできる“合図”を旅行に持ち込むと、腸の動きが整いやすくなります。

3.夜の食事は控えめに
夜に大量の油やアルコールを摂ると便が作られにくくなります。朝昼はしっかり、夜は軽めを心がけましょう。

移動中にできる便秘対策

(以下、主に飛行機or新幹線での移動中での行動です。)

  1. 通路側の席を選ぶ
    トイレに行きやすく、歩く習慣もつけやすい。
  2. 足の些細な運動・マッサージをする
    長時間座りっぱなしは腸の動きを鈍らせます。足首を回す、ふくらはぎを揉むだけでも効果的。
  3. 冷え対策をする
    飛行機内や新幹線内は冷えるため、膝掛けや上着を用意しておく。

朝食ビュッフェで腸が喜ぶ選び方

腸は朝に活発になる臓器。朝食は体内時計をリセットし、腸を動かす大切なスイッチになります。朝食では、タンパク質と炭水化物をセットでとることが腸活の基本です。
腸活におすすめの朝食セットがこちらです。

• ゆで卵+果物
• ご飯+納豆

特にゆで卵と果物は、シンプルで余計な味付けもなく、海外のビュッフェでも安心して選べる組み合わせです。砂糖や油が多い料理が並ぶ中でも、自分で調整できるのが魅力です。

海外旅行で注意すべき食習慣

▼水回りに注意:水道水や氷、洗っていない果物は避ける

▼発酵食品のリスクを知っておく:チーズなど未殺菌のものは菌が繁殖している可能性があり、注意が必要。加熱殺菌処理がされ、しっかりと包装されているものをなるべく選びましょう。

朝に短鎖脂肪酸を作る善玉菌のエサとなる食物繊維(果物や野菜)とヨーグルトを一緒に食べる。旅先でも腸内環境のバランスを整えて、短鎖脂肪酸が作られやすい環境を作ることが大切です。

海外旅行で役立つ腸活アイテム

▼インスタント味噌汁
発酵食品の味噌は腸内細菌をサポート。海外では野菜不足になりやすいので、乾燥わかめや豆腐入りのタイプがおすすめ。お湯を注ぐだけで胃腸に優しい一品が完成します。

▼えごま油(小分けパック)
えごま油は腸の炎症を抑えたり、良質なオメガ3脂肪酸が腸内環境を整えます。小分けスティックなら衛生的で持ち運びも便利。サラダやスープにサッと加えるだけでOK。
※えごま油は液体のため、飛行機持ち込みには制限があります。受託手荷物に入れるか、規定に沿った梱包をお願いします。

▼粉末茶
ペットボトルの水に溶かすと、いつもの飲み慣れているお茶に。現地の飲み物が合わない不安があるときに重宝します。特に麦茶やルイボスティーなどノンカフェインがリラックスタイムにおすすめ。

▼(持ち運びできる)マイ携帯ケトル
お湯を自分で沸かせる安心感は大きなメリット。味噌汁やお茶の準備だけでなく、カップスープやオートミールにも活用できます。

海外旅行で役立つ腸活アイテム

▼「の」の字マッサージ

仰向けでおへその周りを「の」の字にやさしくマッサージ

⇒ 朝起きたときや寝る前が効果的

▼足の角度を変えて「和式風」トイレ

洋式トイレで足の下にタオルやスーツケースを置き、膝を少し高くする

⇒ 直腸がまっすぐになり、排便がスムーズに

▼ぬるめのお風呂でリラックス

40℃未満のお湯で15分半身浴

⇒ 難しい場合はシャワーでお腹を温めるのも◎

▼水分をしっかり補給

起床後にコップ1杯の常温水やぬるま湯を

⇒ 腸を刺激し、排便スイッチが入る

▼軽いストレッチで腸を動かす

仰向けで両膝を胸に引き寄せ、ゆっくり呼吸

⇒ 腸を刺激し、腰痛予防にも

▼バスタオルで「うつ伏せゴロゴロ法」

バスタオルを筒状に丸め、お腹の下に置いてうつ伏せになり、前後左右にゴロゴロ動いて腸を刺激

⇒ 気持ち良い程度に行い、食後や体調不良時は避ける。妊娠中の方は必ず医師にご確認を

帰国後は和食中心にして腸リセット生活を心がけましょう!

旅行中に乱れた腸内環境は、和食でリセットしましょう。
雑穀ご飯や具だくさんの味噌汁、蒸し野菜や茹で野菜がおすすめ。
油を控えめにし、食物繊維をしっかり摂ることで、腸は回復するので安心してください。
1週間程度の旅行であれば、帰国後に和食でリセットすれば大丈夫です。せっかくの旅行、好きなものを食べて楽しんでくださいね。

旅行中の便秘は様々な要因が重なって起こることを教えていただきました。事前の準備と少しの工夫で改善できます。腸をいたわる旅の習慣を意識して、お出かけしてみましょう!

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今回教えてくれたのは…

  • 一般社団法人日本腸内環境食育推進協会代表理事/腸の学校®主催/管理栄養士 : 加勢田千尋

    幼い頃からアトピーや腸の不調に悩まされ続けた経験を活かし、病院・企業にて、7,000人以上の栄養指導・食事アドバイスを行う。独立後、日本で唯一の腸の学校®を監修・運営する。
    書籍 :『「やせ玉」腸活ダイエット』(主婦と生活社)
    TV出演 : 『ヒルナンデス!』・『主治医が見つかる診療所』など
    雑誌: 『anan』『CanCam』 など

    Ameba ブログ
    Instagram:@jiaa0615

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キーワード
  • ライター

    浜口 順子

    1985年大阪生まれ。 2001年芸能界デビュー。芸歴20年を迎えた時、人生を改めて見つめ直し、高校生からずっと憧れていた放送作家への道を進むことに。 今は、「書けて話せる」ハイブリッドな人を目指して奮闘中! 腸活は体も心も元気でいるために、ずっと興味がある永遠のテーマ。現在育児中でもあるので、子どもの健康や腸活も気になっています。

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