最近はおいしい防災食も増えてきており、災害時でも腸内環境を整えやすくなっています。これは、心身の健康維持にも役立ちます。腸の不調を予防するためには、食物繊維、炭水化物、タンパク質、ビタミンをバランスよく摂取することが大切です。
今回は、防災士としても活躍中で、管理栄養士として2万5千人へ指導を行ったキャリアを持つ、神田由佳さんに「災害時でも作れるポリ袋レシピ」について伺いました。普段の生活にも活用できる時短レシピです。(前回の記事はこちらから)
おうちごはんの食材をローリングストック!

―防災食というとレトルト食品を温めるだけのイメージですが、非常時でも腸を整えるために食材を調理することもできますか?
「レトルト食品を備えておくことも大切ですが、普段のおうちごはんを非常時にも食べられたら、慣れた味は心を落ち着かせます。また、おうちごはんの食材をローリングストック(蓄える→食べる→補充することを繰り返しながら常に一定量の食品を備蓄する方法)すれば、備蓄も手軽にできます。どんな環境でも腸内環境を整えることで、心身のリスクヘッジにもつながります。今回は、
✅普段から食べられるもの
✅高齢者でも食べられるもの
✅料理が苦手でも作れるもの
を意識した「ポリ袋レシピ」を3品紹介します。ポリ袋を使うことで時短レシピにもなるので、普段お忙しい方にもおすすめの作り方です。」(神田由佳さん)
非常時でも作れるポリ袋レシピ3選
「3品とも乾燥野菜を使用しているので、食物繊維を補えます。乾燥野菜は、野菜不足の解消につながり、よく噛むことで胃腸が動きやすくなります。ここで使用するポリ袋は、「高密度ポリエチレン」を選んでください。【湯煎調理 ポリ袋】で検索すると商品が出てきます。」(神田由佳さん)
①鶏とごぼうの炊き込みご飯

腸内環境を整えるために必要な3つの栄養素をバランスよく摂取できます。ごぼうが入ることで咀嚼を促し、腸への刺激となり、腸の活性が期待できます。
材料(2人前)
- 白米…1合
- 焼き鳥缶…1缶
- 乾燥ごぼう… 5g(適量)
- 水…170~180cc
- ※ポリ袋…2枚
- ※焼き鳥缶をそのまま入れるので、お水は1.1倍
作り方
- 1枚のポリ袋の中に、白米、焼き鳥缶、乾燥ごぼう、材料に記載した水(170~180cc)を入れる。
- ポリ袋の空気を抜いて上を結び、もう1枚ポリ袋をかぶせて上を結ぶ(10~15分浸水)。
- 湯煎用の水を鍋半分まで入れる。そこに②を入れ、沸騰したら20分加熱。
- ご飯が炊けたら完成。
②切干大根サラダ

腸内環境を整えるためには、食物繊維が重要です。切干大根は、大根の水分が抜けて栄養素がぎゅっと凝縮されており、生の大根よりも食物繊維の量が多いことが特徴です。
材料(2人前)
- 切干大根…1袋
- コーン缶…1缶
- マヨネーズ(ドレッシング)
- 水…1/2カップ
- ※ポリ袋…2枚
作り方
- ポリ袋に切干大根、コーン缶、水を加える。
- ポリ袋の空気を抜いて上を結び、もう1枚ポリ袋をかぶせて上を結ぶ。
- 10分湯煎し、切干大根に水分がいきわたったら取り出す。
- マヨネーズやドレッシングであえる。
③ツナとキャベツのトマトジュース煮

食欲がない時に役立ちます。ツナ缶のタンパク質と乾燥キャベツの栄養素が腸の働きを助けます。また、キャベツは胃にやさしく、胃腸への負担をやわらげます。オリーブオイルを足すとお通じが出やすくなるため、便秘で悩んでいる方にもおすすめです。
材料(2人前)
- ツナ缶…1缶
- 乾燥キャベツ…1袋
- トマトジュース…1本
- 塩…適量
- コンソメ…適量
- ※ポリ袋…2枚
作り方
- ポリ袋にツナ缶、乾燥キャベツ、トマトジュース、コンソメ、塩を加える。
- ポリ袋の空気を抜いて上を結び、もう1枚ポリ袋をかぶせて上を結ぶ。
- 10分湯煎し、キャベツが柔らかくなったら完成。
災害は、これまでの生活が一転してしまう非常事態です。神田さん曰く、「そんな時でもストレスを軽減させる方法は、できるだけ普段の生活の延長でいること」だそうです。食事は、そんな安心が一番強く感じられる行為です。日頃の腸活にも役立つので、ぜひご活用ください。
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今回教えてくれたのは…
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防災士 : 神田由佳
防災士。管理栄養士歴26年で2万5千人に栄養相談を行う。現在は、栄養学、食品衛生学、子どもの食と栄養について専門学校で指導。食べたい気持ちを我慢せずに、数値の改善とともに体全部が健康になる方法を模索し、カロリーや栄養バランスを気にしなくても、簡単な食事で健康になる食事法を確立。人生を楽しく豊かにする食事で、健康なからだを作る方法を伝えている。
公式サイト:https://nutritionist-y.com/
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