「昨日ちょっと飲みすぎたな…」そんな翌朝、
お腹が張る・便が出ない・やる気が出ない——これ、腸からのSOSかもしれません。
今回は“酒飲み管理栄養士”こと高杉保美さんに、飲んだ翌日の腸リセット術を教えてもらいました。
鍵を握るのは、ビタミン・短鎖脂肪酸・そして空腹感!?
その不調、“肝臓のせい”だけじゃない!
飲みすぎた翌朝にありがちな「便秘」「下痢」などの体調不良。
「お酒を飲んだ人によく起こるのが、なんかダルいといういわゆる二日酔いです。一般的にはアルコールの毒素を肝臓が処理しきれないこと、さらにアルコールによる利尿作用で起きる脱水が原因とされています。一方で、アルコールの大量摂取により、水分やナトリウムなどが腸管で吸収されづらくなり、水っぽい便が出やすくなります。これは浸透圧性の下痢と呼ばれ、お腹を壊す原因になります。また、脱水によって腸内の水分が減りすぎると、便が硬くなって出にくくなり、便秘になるケースもあります」(高杉さん)
酒飲み管理栄養士の朝ルーティンは「酢納豆」!飲みすぎた翌日こそ腸活チャンス!

“飲みすぎたな…”と思った翌日に腸を立て直すために先生がしているのは、腸にやさしい発酵食品の摂取と“空腹時間”の確保です。
「私が実際に食べているのが“酢納豆”です。お酢を納豆にかけて食べると、発酵食品×発酵食品で腸がよろこぶコンビになります」(高杉さん)

加えて、二日酔いの日は“無理に食べないこと”も大切だといいます。
「私がよくやるのは、“空腹感”をあえてキープすること。お腹が『グー』って鳴る、あの『空腹時間』をちょっと長めに保つと、体が“排出モード”になってくれて、胃腸をしっかり休めることができます」(高杉さん)
二日酔い打破には“腸の仕込み”がチョー大事!短鎖脂肪酸でつくる腸の下地

“吸収できる腸”がつくる、翌日のラクさと軽やかさ
飲み過ぎた翌日の回復力を左右するのが、“日頃の腸内環境”。
特に意識したいのが、腸内でつくられる短鎖脂肪酸です。
「腸の大事な役割に“栄養を吸収する”というものがあります。でも飲みすぎると腸壁が傷んで腸内環境が悪化してしまいます。腸内環境が乱れて“短鎖脂肪酸”が不足すると、ビタミンなどの『元気の源成分』が吸収されにくくなってしまうこともあります。ビタミンは、糖質をエネルギーに変える・疲労回復を助ける・神経の働きをサポートするといった、体を元気に保つために欠かせない存在です。そのため、腸内環境が悪化し、体内のビタミンが不足していると、“元気が出ない”と感じやすくなるのです」(高杉さん)
短鎖脂肪酸のために、まずは“揚げ物”と“糖”のバランス見直しを
では、短鎖脂肪酸を増やすにはどうすればいいのでしょうか?
「短鎖脂肪酸を増やすには糖質と脂質のバランスもすごく大事です。揚げ物や、動物性の脂質ばかり摂ってしまうと、胃腸に負担がかかって腸内環境が悪くなる原因になります。糖質を摂りすぎると、血糖値が急上昇したり、“AGEs(終末糖化産物)” という老化物質が血液中や腸内でできてしまうといったことが起こります。それらが腸管に悪さをして、腸内に悪影響を及ぼすと、短鎖脂肪酸を作る腸内細菌の活動が低下し、生成量が減ってしまうこともあります」(高杉さん)
まとめ:
✅飲みすぎた翌日の腸内の回復のカギは「酢納豆」+「空腹時間」
✅ビタミンの吸収には“短鎖脂肪酸の下地づくり”が必須!
✅飲んだ翌日だけじゃない、“ふだんの腸活”が最強のリカバリー!
“次の飲み会”をラクにするのは、“前日”ではなく“ふだんの腸”。
そんな視点で「腸の下地」を育てておくことが、結局いちばん効くリカバリーかもしれません。
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今回教えてくれたのは…
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ライター
田口 拓矢北海道の網走という田舎町から上京後、放送作家としてバラエティ番組を中心に約10年活動。業界特有の『不健康生活』という名の”劣悪監獄”から脱獄を目指し、様々な健康法を日々チャレンジ中!
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