私(筆者)には子どもがいて、慣れない離乳食や幼児食作りに日々奮闘しています。そんな中、「子どもも腸活をしたほうが良いのだろうか?」という疑問がずっとありました。そこで今回は、管理栄養士の関口絢子先生に「子どもの腸活」についてお話を伺いました。
腸内細菌の形成には幼少期の家庭環境が大きく関係している
生後間もない赤ちゃんの腸内細菌はほとんどがビフィズス菌と言われています。離乳食の開始や家庭内の環境を通じて、さまざまな菌が体内に取り込まれ、3歳頃までに腸内細菌のバランスが形成されるとされています。例えば、家族と同じお風呂に入ったり、食べ物を通じて、大人からさまざまな菌を受け取ります。その菌が子どもの腸内細菌の多様性を育んでいます。
腸活を意識した離乳食、幼児食を!おすすめ食材3つ
そういうわけで、腸内細菌バランスが形成されていく幼児期の食べ物は大切です。関口先生オススメの、手軽で効果的な子ども向けメニューを3つご紹介します。
➀皮ごとのさつまいも:食物繊維も豊富で栄養価が高い
お子さんは野菜をあまり好んで食べないことが多いですよね。そういう意味では、さつまいもはとてもおすすめです。甘くて食べやすく、食物繊維も豊富で栄養価が高い食材です。おやつとして取り入れるのも良いですね。例えば、蒸しただけでも十分美味しく食べられますし、できるだけ自然に近い形でおやつを用意するのが良いと思います。

また、さつまいもは皮に栄養が多く含まれているので、基本的には皮ごと食べるのがおすすめです。ただし、焼き芋などで皮が焦げてしまった場合は、皮を剥いても問題ありません。調理方法によって使い分けましょう。
②キャベツ:汁ごと栄養が摂れる万能野菜
旬の食材では、春キャベツが特におすすめです。キャベツは加熱するとカサが減るため、たくさん食べやすくなります。スープや味噌汁など、汁ごと栄養を摂れるメニューにすると吸収も良くなります。
★キャベツのスープ
【材料】(作りやすい分量:2-3人前)
- キャベツ:100g
- 玉ねぎ:100g
- にんじん:100g
- かぼちゃ:100g
- だし昆布:適量
- 干し椎茸:2個
- 玉ねぎの皮:適量
- 水:1L
【作り方】
1)下準備をする
にんじんとかぼちゃは皮を剥かず、ヘタを切り落とし、一口サイズに切る。
玉ねぎとキャベツも同様に一口サイズに切る。
2)煮込む鍋に1と水、だしパックに入れた玉ねぎの皮、2~3cmに切っただし昆布、干し椎茸を入れる。20~30分野菜が柔らかくなるまで蓋をして煮込む。
3)器に盛り付けて完成。
③おから:料理に混ぜるだけで“隠れ食物繊維”に
野菜が苦手なお子さんには、ハンバーグなどのひき肉料理に細かく刻んだ野菜やおからを混ぜるのがおすすめです。おからは食物繊維や栄養が豊富ですが、煮物では子どもに不人気なことも。でも、ハンバーグなどに混ぜれば“隠れ食物繊維”として取り入れやすくなりますよ。
【番外編】 おすすめ調味料
1歳まで蜂蜜は避ける必要がありますが、みりんや甜菜糖にはオリゴ糖が含まれており、腸内環境に良い影響を与えます。
基本の食材を共有して味変するなど、親子で気軽に腸活を!
“腸活しよう!”と思っても、大人用と子ども用で料理を分けて作るのは大変です。親子で同じ食事を楽しむことも大切です。基本の食材を共有しながら、味付けを変えるという工夫もあります。例えば、キャベツのスープなら、大人用にはしょうゆや味噌、塩を足してアレンジするのもおすすめです。無理なく続けることが、腸活を習慣化するコツですね。
関口さんのお話を聞いて、子どもの腸活に対するハードルが下がりました。実際にご紹介いただいた食材は、どれも身近で手に入れやすいものばかり。家族で同じ食材を楽しみながら、無理なく工夫して腸活を始めてみましょう。
今回教えてくれたのは…
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料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト : 関口絢子さん
川村学園短期大学食物学科卒業。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピが人気。“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、人生100年時代に向けた健康長寿食を提唱。すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信する活動をしている。
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ライター
浜口 順子1985年大阪生まれ。 2001年芸能界デビュー。芸歴20年を迎えた時、人生を改めて見つめ直し、高校生からずっと憧れていた放送作家への道を進むことに。 今は、「書けて話せる」ハイブリッドな人を目指して奮闘中! 腸活は体も心も元気でいるために、ずっと興味がある永遠のテーマ。現在育児中でもあるので、子どもの健康や腸活も気になっています。
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